コウノトリ写真コンテスト審査


第4回目の「コウノトリ写真コンテスト」の審査で、兵庫県の豊岡市へ行ってきた。
コウノトリはご存知のとおり、野生復帰作戦に成功して、豊岡市内で現在繁殖までこぎつけている。
まさに、人と野生の共生がはじまっているのだ。
第1回目から審査委員長を務めてきているが、このコンテストでのテーマはやはり「共生」。
なので、単なるコウノトリのアップ写真だけでなく、人との関係やコウノトリの生活史の見えてくる作品にどうしても目がいってしまう。
しかし、コンテストの常であるが、撮影者はコウノトリだけしか見てないという悲しさもあるから、どうしてもコウノトリ中心の作品が多数集まってきてしまう。
写真を写す前に、ちょっと冷静になって、コウノトリはどのような野鳥で、どのような過程をたどって今日あるのかに思いをはせれば、撮影の仕方も変わってくると思うのだけれど。
どうも、それができてないからワンパターンな作品が多い。
でも、毎回のことながら、「おやっ!!」っと目を引くものも必ずあるから、コンテストのたびにボク自身も勉強させられて、審査は無事終わった。
で、今回の収穫なんだけど、コンテストそのものよりも、ボクとしては資料を渡されたとき入っていたクリアファイルが気に入ってしまった。
フォルダーの両面すべてに、春夏秋冬に分けてコウノトリがどのような餌を食べているのかといった写真がたくさんちりばめられていたからである。
これこそ、コウノトリの生活史の一面が見えているものであって、こういった写真を集めてクリアファイルにしてしまった「企画編集者」に拍手を送りたいからだ。
まさに、テーマ性の勝利であって、こういう視点での作品づくりをコウノトリに限らずすべてのところでやってもらいたいからである。
写真は、撮影者の心が映されるものであるから、写す前に何を撮り結果をどう結びつけていくかと、頭で考えることが必要だからだ。
そこが、カメラを「ペン」のように自在にあやつり、視覚表現していくことの面白さだからである。
このクリアファイルは、一点の写真だけではなく、それらがいくつか集まることで明確なメッセージとなりうることがよく表現されている。
まさに、コウノトリのみならず、自然界の生物を測る教科書になっているからだ。

写真上:豊岡市のコウノトリ共生課が作ったクリアファイル。ここに写されているコウノトリの餌から推していっても、かなりの環境問題に行き着くことができるし、勉強することもできる。
写真下:審査員の河合雅雄さん、増井光子さん、柳生博さんらと審査会前の食事会。

カテゴリー: 哺乳類・野生動物   パーマリンク

コウノトリ写真コンテスト審査 への4件のコメント

  1. もっち より:

    本当に素晴らしいクリアファイルです。
    僕もほしくなってしまいました。
    それにしても、審査員の顔ぶれは、そうそうたるメンバーですね。

  2. わさびぃ より:

    うぅぅん・・自然環境の変化で消滅する鳥を、税金をつかって(多分)救うのは、納税者としてはうなずけない。人間を含めて地球環境に合わない生物はいずれ絶滅する。そして環境にあった生物が生き残る。それが自然な環境なんでは?
    CO2で酸性化した海、高温になった環境、そこでも平気で生き残る種。で、未来の動物が、人間が突如地上から姿を消した理由をいぶかっている。ちょうど、人類が恐竜の絶滅原因を推測しているように。

  3. コウノトリが住めない環境は、結局は、人間にとってもマイナスの環境、であればそれに気づき改善するのも賢い選択かと…。
    僕は、まだ滅びたくないので、自分にできる写真を撮る事で何か貢献していこうと思います。

  4. gaku より:

    長野県は、前知事のときにあるダム建設を廃止したのに、新しい知事になって「穴あきダム」と名称を変えて復活してしまった。
    同じ税金を使い、納税者としても、コンクリートだけに頼る人間社会生活よりも、コウノトリという「生命」の未知にお金をかけたほうがロマンがあっていい、とボクは思います。
    「穴あきダム」を優先させた長野県民より、コウノトリの復活を模索しながら未来人類をさぐる兵庫県民のほうが、ボクは賢い判断をしていると思っています。