加齢臭は生命をさらわれるサイン


7歳になるニワトリは、人間ならばいったい何歳になるのだろうか。
たぶん、100歳以上には、まちがいない。
つい先日、その7歳になる我家のニワトリが、キツネにさらわれてしまった。
それは、見事なさらいっぷり、だった。
いまから7年前、我家には3羽のニワトリがやってきた。
知人からヒヨコをもらってきたのであるが、庭を自由に歩きまわって、美味しい地鶏卵を産んでくれて、それはそれは幸福なひと時があった。
そのニワトリも、やがて年老いて、卵も産まなくなってしまった。
昔の田舎なら、こうなったニワトリはすぐに潰されて、鍋になってしまったものだ。
しかし、我家ではそれもできず、産卵という役立たずになったニワトリもずっと家族の一員として庭を散歩していた。
ある日、3羽のうちの1羽が、みんなにいじめられるようになった。
あまりにも可哀想だったから、ボクは隔離小屋をつくって、その1羽を入れることにした。
小屋に入れたころには、ほんとうに元気がなくて、もうダメかとも思われた。
しかし、いじめられなくなれば、なんとか元気を取りもどしてくれるだろうとも、思っていたのである。
ところが、2日後になって、そのニワトリが忽然と消えてしまった。
それは、キツネがさらっていったからである。
キツネは鶏小屋の縁の下の土を掘って、そこから侵入して見事にさらっていった。
まさに、野生ギツネの職人芸。

キツネが我家の庭に毎晩やってきていたことは、体臭などから知っていた。
田舎の農村地帯から街場には、いまや野生のキツネはどこの庭先にもやってきていることは普通だからである。
飼い犬がつながれて飼育されるようになってから、キツネ、タヌキ、ハクビシンなどは、100パーセントの確率で人家の庭先にやってきているのである。
ただ、それに一般人が気づいていないだけのことである。
そんなキツネでも、我家のニワトリが壮年で元気なころはまったく襲うという気配はなかった。
たぶん、年老いて加齢臭に満ち、なおかついじめにあって弱気になっているオーラをキツネは敏感に感じとったからなのだろう。
「これならいける」と判断して、小屋の土を掘って、さらっていったのである。
これは、自然界では普通のことだからである。
あらゆる生命は、老いてくると加齢臭がでてきて、そのニオイは生命の終焉を意味するサインだからである。
それを、捕食者が敏感に嗅ぎ分け、さらい、食べてしまうというプログラムにつなげているだけなのだ。
これは、ある意味わたしたち人間が考えるほどむごいことでもなく、生命の転生には絶対に必要であって合理的な自然の摂理なのだと思いたい。
だから、我家のニワトリもキツネにさらわれてある意味まだまだ自然界のプロセスも正常に機能しているなと、ボクはひと安心した。
残された2羽の婆さんニワトリも、やがては同じ運命をたどることだろう。
それでいいと、ボクは思っている。

写真上:左側の茶色のニワトリがキツネに盗まれた。
写真中:このように穴を掘って、キツネが侵入。
写真下:ニワトリのダメージは、残されたこの大きな羽で結果がわかってしまう。

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加齢臭は生命をさらわれるサイン への3件のコメント

  1. どぶろく より:

    誰も居ないぞう。
    動物(こと野生にあってはなおのこと)は、出生時から幼少時の死亡率が高い。そして旬は短く直ぐまた死亡率が高くなる。
    電機・機械製品も似ていて、製品が市場に出て先ず「初期不良」による故障が発生します。購入部品や組立工程での不具合が製品最終検査工程でも検出できなかった潜在的不良が顕在化するわけです。
    初期不良が治まると、故障率は激減し、しばらく品質は安定しますが、やがて部品が耐用年数を迎えると急激に故障率が高まります。修理不能なら寿命=死亡に至ります。
    故障率を縦軸に時間を横軸として、上記の推移をグラフにしたものは「バスタブカーブ」(西洋の風呂桶の長手方向断面に酷似する為)とよばれ、メーカで品質保証業務をする人の常識です。
    メーカ:特に日本ではバスタブの縁をできる限り低く垂直に、底の部分をいかに長く(長寿命)滑らかに(突発性故障撲滅)するかに心血を注いできました。結果
    MADE IN JAPAN
    の品質は確固たるものになりました。しかし品質の良し悪しの定義は難しく、時代と共に変わります。
    例えばホイホイ買い換える携帯に5年の耐用年数は過剰品質です。それより耐落下・浸水性能などを高めるべきです。高品質=長持ちで無くなった現在、ハイレベルなメーカでは、狙った寿命できっちり死ぬ製品を作っています。バスタブの底は短くてもよし、ただし表面はピカピカに。ですから低技術平凡メーカ品の方が長持ちします。某家電メーカの○○○タイマー(366日で死亡)は電気製品ツウでは常識(僕はこのメーカの品質保証のお偉いさんのセミナーを受講しましたが「保証期間は1年なんだから1年保ちゃ良い!」と明言されていました)、また某メーカの車も初回車検がくるとガタがくると有名。僕の愛するメーカの車は徹底的にオーヴァークオリティ(スペック、寿命、耐久性他)です。これはこの会社の生い立ちに基因します。
    閑話休題。
    えーと、日本人においては、平均寿命が高くなったのは第二次大戦後の至極近代のこと。しかもその第一要因は、幼児の死亡率激減です。昔、生まれて直ぐ死亡は珍しくなかった。死産だって当たり前(但し死産はそもそも出生とは認められないので死亡率にはカウントされない。同様に死産した児をコインロッカーなどに放置すると死体遺棄には問われるが、殺人や保護責任に問われる事はない。死産か分娩後死亡かは簡単に判別可能)。
    また昔は20代での若死にも当たり前で、だから男女共繁殖可能になったら即結婚でした。現行法上男18、女16才を婚姻解禁年齢としているのはその名残でしょう。二十歳を大人と定義したのは日本が軍国主義に突入したつい100年かそこら前の話です。今でこそ女性の結婚適齢期をクリスマスケーキなんて云います(それももう昔話)が江戸時代女性は22,3才(当然数え年)ともなると後家さん話しか来なかったそうです。25才で年増と云われ結婚は論外。
    乱暴な云い方すれば、「児童ポルノ」が本来健全で、リスクを伴う高齢出産が当たり前の現在の方がアブナイとも云えます。
    さて長寿日本のもう一つの要因は疾病治癒率向上です。医療の向上です。
    しかし一方でガンが死亡原因のトップとなりました。食品添加物や有害物質の蔓延。何かがおかしくなっている警鐘でしょう。自殺者は年間3万人超状態が続いています。単純計算で常にどこかで誰かが自殺していることになります。これもイカレてます。
    7才の鶏が役目を終えるのをどう感じるか。深いことだと思います。その命がキツネに継承され、やがてそのキツネも誰かに食べられる。
    日本人は火葬により、フードチェーンからスピンアウトした感がありますが、それでも生物たることを忘れてはならないですね。
    加齢臭がオヤジ狩りの引き金になったりするんでしょうか。

  2. gaku より:

    >乱暴な云い方すれば、「児童ポルノ」が本来健全で、リスクを伴う高齢出産が当たり前の現在の方がアブナイとも云えます。
    ↑これ、エコロジー的に見てもまっとうな意見だと思いますよ。
    ところで「どぶろく」君、自分のブログ立ち上げたほうがいいと思う、よ。
    オイラの本文より、君のコメントのほうが長い、やんけー。

  3. どぶろく より:

    gakuさん
    申し訳在りません。全く仰るとおりなんです。僕の身勝手でいつまでもgakuさんのお宅を荒らしている場合じゃないんです。ご迷惑おかけして大変申し訳ありません。
    gakuさんの話題に琴線をぶりぶり刺激されて、つい書き込んでしまうのです。
    しかし、お叱りを頂戴したくはないのでROMになります。
    行動派のgakuさんから見たらさぞかしもたもたしてるとお感じでしょう。スタンドアロンPCでの準備(コンテンツ)は進んでいるのですが。あとは、ようするにポリシーに起因する経済的問題です←あくまでカラスの勝手!
    サイトオープンの折りには、リンクはらせて下さい。
    大変申し訳ありません。大変申し訳ありません。大変申し訳ありません。