北海道へとんぼ返り


北海道東部の漁師町に、恩人夫妻が住んでいる。
その夫妻が両人ともに、心臓の手術で緊急入院したとの知らせがあった。
このため、取るものもとりあえず釧路空港へ。
旦那は釧路の病院、奥さんは札幌の病院。
両方とも見舞う予定で出かけた。
まずは、釧路の病院で旦那を見舞ったがまだ麻酔から覚めず、覚醒するのに2日もかかるという。
このため、覚醒するまでの間に札幌往復をすることにした。
ほんとうならば、釧路で見舞い、そのまま札幌に移動して見舞い、千歳から空路帰宅すればよいと考えていた。
だが、麻酔の覚醒時間という予定外の誤差が起きたので帰路は再び釧路空港からだった。
そうと分かっていれば往復のチケットを買ったものだったが、今回はすべて予約なしの飛び込み綱渡り旅だった。
22歳のときに、生まれてはじめて北海道旅行をし、そのときに出会った番屋のオヤジ。
以来、番屋に何ヶ月間も居候を許してくれて、陰になり日向になり、北海道でのボクの活動のすべてを息子のように思って支えてきてくれた恩人。
病気で倒れたときも、ボクに送ろうと自分の定置網にかかった「トキザケ」を荷造りしていたそうだ。
だから、そのことが気になっていたのか、ボクの顔を見るなり、「トキ トキ …」っと、声にならない声で叫ぶのだった。
秋には体も回復しているだろうから、「またくるからね」といったら、「マス、マス…」っと、口を動かす。
そう、秋にはマスが獲れて、次にアキアジが乗ってくる。
漁師だから、獲れた魚をボクに見てもらうのが嬉しくて仕方がないのだ。
秋の再開を約束してICU室をあとにしてきたが、握った手は思いのほか冷たかった。
誰にも恩人はいると思うけれども、ボクにとってはとりわけ大切なご夫妻。
頼むから、再会まで元気でいてほしい。
写真:釧路空港は往復ともに雨だった。それは、恩人たちの大粒な涙なのだと、ボクも泣けた。

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北海道へとんぼ返り への3件のコメント

  1. 北の狩人 より:

    わざわざ遠くからお見舞いに駆けつけてくれた事で、そのご夫妻は大変勇気づけられた事と思います。
    再び来道される時にはきっと元気になっている事でしょうね。

  2. 小坊主 より:

    心筋梗塞でしょうか。
    壊死部分が、小さいといいですね。

  3. gaku より:

    22,23日あたりに、再手術が待っているようです。
    なんとか、元気になってもらいたいものです、が。