熊穴カメラ設置の準備作業


「ツキノワグマ事件簿」に書いた熊穴までカメラ設置の準備に行ってきた。
林道から急斜面を500mほど登らなければならず、荷物を担いでの行動はなかなかにキツイものがある。
なるべくラクな尾根ルートをとるが、このようなときはゆっくり景色と遊びながら時間をかけて登るのが疲れなくていい。
林から空を見上げれば、オオカメノキの紅葉がなかなかに美しかったので、まずはザックを下ろして撮影。

しばらく行くと、ミズナラの青いドングリが仲良く落ちていた。
その脇には、ニホンジカのゆるみ糞もあった。
中央アルプスのこんな奥にニホンジカの糞を発見するとは、やはり確実に定着してきていることを再認識せざるをえない。

そして、少し登れば、足下の斜面に小さな穴。
これは、たぶんヒメネズミの穴だろう。
ちょっといたずらをして、入り口に細い枯れ枝を2本立てかけてきた。
今夜もヒメネズミは、ミズナラのドングリ集めに忙しく走り回るから、この枯れ枝をどけて出入りすることだろう。

登りはじめて30分。
ついに、熊穴のあるミズナラにたどりついた。
やはり、絵になる惚れぼれとするいい木だ。
笹藪にしばらく座り込んで、ミズナラを見ながら呼吸を整える。
このあと、カメラやストロボ位置などを計算して、三脚などの設置にかかる。
作業は、3時間ほどかかっただろうか。

作業を終えて、熊穴のあるミズナラから100mほど上にサワラの大きな木が見えたのでチェックすることにした。
近づいてみると、幹に小さな穴がある。
さらによく見れば、どうやら小動物が使っているらしき痕跡がうかがえる。
穴の大きさからして、ムササビか、テンが、もっとも有望だ。
いずれ撮影もするから、ここはそっとしておこうとそれ以上の確認はしなかった。
やはり、現場を歩かなければ、こういうものも発見できないものだと、改めてフィールドワークの大切さを知る。

秋の山は、日が暮れるのも早いので、午後3時にはすべてを切り上げて下山の準備にとりかかった。
明日もここへくるから、必要な道具はビニール袋につめて、現場へ残してきた。
いつ、どこに熊が現れてもおかしくない環境だが、今日も心地よい汗をかき気持ちよかった。
これも、ツキノワグマが冬眠穴をチェックにくるという「絵コンテ」がボクのなかにはあるから、こうしてコツコツと小さな作業の積み重ねをしていくだけである。
こうした作業は、じつは撮影よりも夢を見られるから、楽しいのである。
夕方、知人から一杯飲みに行こうやと誘われたけれど、明日中にはカメラ作業を終わりたいので理由を話してお断りした。

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熊穴カメラ設置の準備作業 への5件のコメント

  1. ブリスパ より:

    >今日も心地よい汗をかき気持ちよかった。
    >こうした作業は、じつは撮影よりも夢を見られるから、楽しいのである。
    ここら辺の感情は、ちゃんと仕事をしている人ならではの特権でしょうね!
    >一杯飲みに行こうやと誘われたけれど、……お断りした。
    私には真似が出来ません。

  2. 北割 より:

    来春が楽しみです。

  3. 小坊主 より:

    再来春は、もっと、楽しみです。
    最近、いい汗かいたの、いつだったかな。。

  4. いち猟師 より:

    こんばんは。
    やはりこのブログを拝見していて良かったとつくづく感じます。
    宮崎さん、ありがとうございます。
    と言うのも”鹿のゆるみ糞”、今まで何度も出くわしていたのですが、実のところ何のクソか判りませんでした。
    とある本だと猪のクソだと紹介されているのですが、シチュエーションからしても、?だったので悩んでました。
    都合の良い方に考えたい、と言うのもあるのですが‥。
    それと私の常識にある鹿の糞とも違うし‥。
    しかし一つの謎が解決してスッキリしました、ありがとうございます。
    そういえば、笹原に時々もろ牛糞みたいな糞があります、これはシチュエーションからして、どう考えても鹿の糞以外にありえないので鹿だと信じているのですが、それも”ゆるみ糞”でOKですよね。
    自然は常識外の物が結構あるので悩みは尽きません。
    またよろしくお願いします。

  5. gaku より:

    ■ブリスパ さん
    >ここら辺の感情は、ちゃんと仕事をしている人ならではの特権でしょうね!
    ハイ、仕事を楽しく感じるように、楽しんでいます。
    >私には真似が出来ません。
    チタンの肝臓、砂漠と言われる酒量をせめて「ザル」くらいに落としたく、自分自身と戦っておりまする。
    ■北割 さん
    ■小坊主 さん
    ほんとうは、年内にどんな動きをするかが楽しみなんですが、ね。
    冬場は、腰まで雪がありますが、出かけて行きますの予定。
    ■いち猟師 さん
    >笹原に時々もろ牛糞みたいな糞があります、
    >それも”ゆるみ糞”でOKですよね。
    はい、OKですよ。
    「クマのすむ山」=偕成社
    あれにも、クマの糞パターンをたくさん載せてありますが、ほとんど無反応な読者ばかり。
    可愛いから守ろうなどとクマを語る人は多いけれども、糞なんて見たくもないのだろう、ね。
    糞はその動物の生活史がみえて、自然を知る基本中のキホン、なのに。