激増中のニホンジカを撮影する


月が大きくなってきた。
こういうときは、夜間撮影のチャンスなのだ。
月の光だけで、野生動物の動きを見ることができるからである。
こうして、ボクはいろんな野生動物の世界を、もう何十年と目撃してきている。
毎月やってくる月の満ち欠けは、野生動物の仕事必殺人としてはとても大切な時間なのである。
ニホンジカがいま大激増していて、食害などで全国的に社会問題化している。
増えているそのニホンジカも、自然界の報道写真家としてはキチンと撮影しておかなければプロとはいえない。
だから、昨夜も撮影に出かけてきた。
30年も前にカーショップで買ったサーチライトを望遠レンズの先端にとりつけて、夜間の林道をゆっくり車を走らせる。
この光だけで、撮影をするのである。
ストロボを使ってキチンと照明する写真も必要だが、ライトによる撮影もそれなりにいい写真となるからだ。
かなり大掛かりな撮影装置だが、これらはすべて自分で手づくりをして、ずっと使いつづけてきている。
だから、もっとも効率よく結果が出せることはすでに自分で立証済みだし、年季の入った装置ともなっている。

昨夜は、12頭のニホンジカに出会った。
姿は見えなくても、秋の交尾期に入っていることもあり、いたるところで雄ジカの啼き声も聞こえていた。
たしかに、たくさんのシカがいることを実感できる。
これほどまでに増えてしまうと、もう食害などは今後もやられ放題だろう。
ニホンジカの激増を予測できなかった研究者や行政にも責任はあろうが、もはや手遅れの感がある。
こうして増えすぎたニホンジカをどうするか、月の光を浴びながら、深夜の山野を徘徊すれば、ボクにはいろんな策もみえてくる。
大量捕獲装置のアイデアもあるが、行政などにやる気がないので、こうしたアイデアはえん魔様のお土産にするつもり。
フィールドをきちんとやっていれば、自然界はいろんなヒントを出してくれる。
そのヒントを自分のセンスでどう捉えるかが黙して語らない自然界と付き合う方法なのだが、センスもなくフィールドもやらないヒトには何も見えてこないのがこれまた自然界である。
昨夜は、そんなオイラを見て、月がやさしく笑ってくれた。

写真上:夜間に草を食べる姿もストロボを当てればこんなカンジ。
写真中:やはり、こうした写真のほうがシカのもつ不気味さがでて面白い。
写真下:年季のはいった撮影道具。カメラはフィルムからデジタルのニコンD3となって、仕事は飛躍的に新視点で行えるようになった。D3sなら、もっといい仕事ができる、かも?

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激増中のニホンジカを撮影する への15件のコメント

  1. あーる より:

    もう、どんどん食べましょうよ。
    と、常々思ってます。
    なにも外国産の牛肉なんか買わなくても。
    今、うちの鍋には鹿肉のストロガノフが入ってます。おいしいですよ。

  2. gaku より:

    鹿肉のストロガノフ…、考えただけでも美味しそうです。
    イノシシやニホンジカなどは、「山菜」と同じような発想で地域住民が対処するべきだとボクは思っています。
    現代人は家畜に依存しすぎてきましたから、
    鶏インフル、豚インフル、狂牛病…
    家畜に脅かされる時代になってきたのが、あまりにも滑稽です。

  3. 小坊主 より:

    >家畜に脅かされる時代
    人畜共通感染症を研究する大学院が、創設されますね。医学と、獣医学の融合。

  4. いち猟師 より:

    こんばんは。
    鹿肉、殺生をする当事者としては不謹慎なのかもしれませんが、やはりオイシサという面では、好みもあると思いますが‥、食用に飼育された動物には敵わないと思ってます。
    本州鹿なのですが、私のヘタクソな料理だと、まず焼き物では食えません、私の場合。
    ニオイは家畜よりもしないのですが、なにせ食感がサバサバしすぎで個人的には遠慮です、脂ぎったのが好みなので‥。
    ところが最近気がついたついた事があります。
    と言うのも、俗に言う日本料理、シャブシャブ、すき焼きにするとめちゃくちゃ旨いのです、とりあえず腿肉の場合ですけど。
    猪もやはり煮物ですよね、焼くと物によっては‥。
    しかし日本風で調理すると十分、牛や豚とタメを張れます。
    昔の人も知ってたのですかね?
    でも、個人的には焼くだけでオイシク頂きたいなぁ、と思ってます。

  5. 岳行 より:

    南信大鹿村で頂いた長時間ワインで煮たシカ肉のサンド、パルマンティエサンドは結構いけましたが・・・・
    ところで近江湖西朽木の山間部ではシカが多く、夜に車を走らせると必ず数個体出遭います。シカ肉の需要が増え供給する方のバランスがうまく働くと良いのですが。

  6. gaku より:

    ■小坊主 さん
    >医学と、獣医学の融合。
    期待したいですが、野生動物の研究ももっと進んで欲しい、ものです。
    ■いち猟師 さん
    猟師さんでも、ほんとうに美味しい山肉を食べさせてくれる人を何人か知ってますが、
    獲物を倒すことも研究していますが、そのあとの処理に工夫している人が美味しいお肉にありついているみたい、です。
    シカしゃぶ…
    確かに美味しいです、ね。
    ■岳行 さん
    >シカ肉の需要が増え供給する方のバランスがうまく働くと良いのですが。
    シカ肉は歩留まりが悪いので、いまのところ牛肉より高いものになってしまっていますね。
    まだまだ研究する余地はありますが、残滓にしても、利用方法にもっと知恵を使ってほしいものです。
    それと、大量捕獲装置の研究もしたほうがいいのですが、あまりにもワンパターンな発想しか生まれてないのが残念でなりません。
    いい、アイデアがあるのですがねぇ、ボクには。

  7. 北の狩人 より:

    画像のストロボ(スポットライト)多分私も現在、猟用車に常備している物だと思います。
    ハロゲン球は50Wだと思いますね。
    ライト撮影はライトの明るさよりも技術の問題だと痛感しています。
    私は幼稚園生みたいな物で、まだまだ勉強しなければと思っています。

  8. gaku より:

    ■北の狩人 さん
    ライトの研究は、まだまだしなければならないと思っています。
    最近、さらなるアイデアが浮かびましたので、そのうちに製作してみます。
    そのときには、ご報告いたしますね。

  9. 粗忽鷲 より:

    >「山菜」と同じような発想で
    本当にそう思います。大賛成です。
    広葉樹を植林しましたが、どれだけ生き残れるか心配です。針葉樹なら成長も早く被害も軽微で経済効果も何とかなるのですが。
    この北の地は生息数の少ない場所でしたのに
    例外は何処にもなくなりましたね。
    >いち猟師さん
    鹿肉を刺身と焼肉で素人料理で食べましたが
    とても美味しかったですよ。
    きっと好みが違ったのですね♪

  10. 小坊主 より:

    こんな試みもあるようです。
    何とかして、マーケットを作らないと、駆除そのものが、続かなくなりますね。
    http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091107-OYT1T00199.htm
    記事にある京大演習林、とても美しい所ですが、シカの食害で、劣化が始まっています。

  11. あーる より:

    いち猟師様
    ジビエ料理です。
    冷蔵庫もなく、新鮮な食材を手に入れるのが困難な時代に先人が知恵をしぼった調理法。
    ワインやら、ハーブやら、オイルやら
    の助けを借りて調理します。
    くず肉もハンバーグやソーセージやパイでおいしくいただけます。
    今日、中川村の鹿猟を見学に行った娘が、今、ごちそうになっているらしく、さっき電話で
    「おいしいよ、うちのと全然違うの!」
    ってそりゃそうでしょうよ。
    うちは冷凍でもらった細切れを料理したんだもん。ぶーっ。

  12. いち猟師 より:

    こんばんは。
    何か責任を感じ、投稿します。
    皆様の鹿肉に対するポジティブなコメントは、いちハンターとしては大変ありがたいです。
    私は肉が目当てで猟を行っている訳ではないのですが、やはり自分が仕留めた獲物に対しては責任を感じ、当然ですが、食べています。
    食べる以上はオイシク食べたいと考えて、いろいろトライはしているのですが、’あーる’さんの仰るようなジビエは難しく、素人にどうこう出来るものでは無いな、と感じてます。
    私の鹿肉のレパートリーは、シチュー、ロースト、カルパッチョ(さしみ)、それとしゃぶしゃぶ、すき焼きくらいです。
    オイシイと思ってたべれるのはそのくらいなのですが、それよりも獲物の肉を食べている時に思い浮かべているのは”諏訪の勘文”です。
    しかし、たくさんの方に喜んで食べられてると言う事実は、ハンターのはしくれとしては大変光栄です。
    これからも、皆様、啓発に関しては宜しくお願いします。
    ハンターだけではどうしょうもないですからね、またハンターはどうしょうも無いですから‥私も含め。

  13. あーる より:

    ”諏訪の勘文”ってなに?と早速検索、便利だな、ネット。
    畑を始めて、ナス科に大発生するてんとう虫や、キャベツにつく青虫をぶちぶちつぶしまくっています。
    菜食主義者が”殺生はいかん”なんて言うのがなんと馬鹿げていることか。
    キャベツ一個に一回で50匹近い青虫をつぶした日がありました。(数えた)
    食べるということは、こんなにもたくさんの命を犠牲にすることなのだなあ。と。スーパーで買ってるだけの生活では思いも寄らないことでした。
    昨夜、ぴーぴー鳴いている鹿の声がなんだか「仲間が食べられたあ」と、鳴いているように聞こえました。
    娘、今朝中川村よりすてき鹿肉を持ち帰りました。ありがたくいただきます。しゃぶしゃぶしてみようかな。
    いち猟師様、欧米料理はおおざっぱなので日本料理よりもマスターしやすいです。ただ味の好みがありますが。

  14. gaku より:

    ■あーる さん
    ここ数日、毎晩シカの撮影に出てますが、ものすごい数がいることを改めて感じます。
    なんとか数を減らす方法を考えないと、大変なことになりそうですね。
    中川村では、先日駆除をしたみたいですが、ボクの撮影地ではたくさん出現していてまったく駆除の影響が見られません。

  15. なる より:

    研究者は1980年よりも前から掴んではいたよ。報告書は沢山出ていたみたいだけど。
    残念ながら、沢山の植物と、昆虫が絶滅したみたいだね。研究者は調査と記録しか出来ないから、結局何も出来ないのだよね。鹿よけの柵一つ設置するのにも、許可が要る。
    いろんな人のいろんな思惑で結局何も出来ないまま悪化したようだ。
    植生が崩壊し鹿が餓死して減るのを待つしかないかな。