デジタルはフィルムを超える。
そう信じて、「Nikon D1」が発売になったときから、ボクはフィルムからデジタルに切り替えた。
1999年のことである。
あれから、10年。
デジタルカメラはボクが信じたとおりに飛躍的進歩を遂げた。
しかし、印刷現場ではまだまだフィルム信奉が多かった。
とくに、カレンダーやポスターなどの大伸ばしでは、フィルムでなければダメと言われることもままある。
だからといって、いまさらフィルムを使うつもりもないので、それはできなかった。
もう30年ほど、ある企業のカレンダーを毎年作ってきた。
ここでも、ずっとフィルム原稿だった。
印刷所も、フィルムが当たり前として、これまでやってきた。
でも、ボクとしては何とかデジタルに切り替えたかった。
それをするには、ほんとうにデジタルがダメなのか、その限界を知っておく必要があった。
そこで、印刷会社の営業にデジタル原稿を渡してテスト刷りをしてもらうことにした。
原寸大から、400パーセント拡大までの結果を出してもらったのである。
カレンダーのサイズは、250パーセント拡大。
いやー 驚いた。
フィルムでなくても、400パーセント拡大でもまったく遜色なくいけるではないか。
なぜ、このようなテストを早くして来なかったのかと悔やんだ。
数年前にも、同じ印刷所にテストが出来ないかと相談を持ちかけたが、やんわり断られてしまっていた。
印刷所も、自信がなかったのかもしれない。
でも、時代はデジタル化でどんどん進化しているから、印刷所だって勇気をだしてテストをしてくれてもよかったし、そうしなければならないと今回は強くボクが主張した結果がこうして吉と出たのだった。
やはり、プロとして、自分の弱いところはしっかり押さえて知っておかなければ仕事の発展もない、と思う。
今回は、こうして自分の写真でデータを作ったので、これでデジタルの限界も知り、印刷方法の結果も知ったから、さらに今後の仕事がやりやすくなった。
こういうテストは、やっぱりやっておかなければならないことである。
それが、プロだから、である。
写真上:オコジョの原寸。
写真下:いろんな拡大テスト。
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フィルム経験なしです。
デジタルから入って写真の何がわかっているわけでもなく好きな被写体にレンズを向けているだけでけっこう幸せ・・・。
これじゃあプロのカメラマンの苦労がわかりっこないですねー。
こんな私でもこんなオコジョさんに出会って写真を撮ってみたいとは思います。
また、壁に、風穴を開けられましたね。
遅まきながら、テストをする決断をした印刷所にも、拍手をしておきましょうか。
時代の流れとはいえ、古いものにしがみつくことを止めて、新しい事に取り組むには、それなりの勇気が、必要だっただろうと思いますので。
こんにちは。
オコジョの表情はもちろん素敵ですが、雪の表情もまた美しくて魅入ってしまいました。
技術の進歩は著しいのですが、データの保存、保管に頭を悩ませています。
音楽CDなども突然割れたり、記録メディアもどんどん小さくなって紛失が心配。
デジタルデータってこわれたりなくなるときは、あーっ!と言う間ですね。
このさき何十年も良い状態で残せるのかも未知数。
印刷メディアに残すことができない素人の私たちは、せめて大事な写真は紙焼きにしておいたほうが良いのかも。
戦前の写真など見るにつけて、フィルム&印画紙のしぶとさに感心させられます。
と、ちょっと旧体制の肩を持ってみました。
400%の拡大版を拝見し絶句でした、画面の荒れは全く感じませんし鮮明そのものです、でもそれ以上にプロの写真家はこれほど見事に撮影できるのかと驚愕した次第です。
カレンダーが楽しみになってきました。
おう、これが、あれ!
私も楽しみです。。
■C-NAさん
フィルムより、デジタルのほうがずっとラクだしカンタンです。
しかし、哲学がないと結果をともなわないのは、フィルムもデジタルも同じですね。
■小坊主さん
風穴というより、自分のためにやっておかなければならないこと、でした。
■ちゃかめさん
雪、かなり汚れているんです。
今冬は、新雪にオコジョを撮影したいものです。
■あーるさん
記録媒体ですから、ボクは過去にすがることよりも、今を大切に表現したいです。
なので、保存って、それほど考えておりません。
これまで撮ってきたフィルムも、かなり忘れております。
■北割さん
カメラもレンズも中古、ストロボは手づくり。
結果は、あんなものでした。