柴犬とペアルックで南アルプスへ


飼い犬に服を着せたりすることは、あまり好きではない。
日本犬はとくに、日本の気候風土に慣らされてきた野性味の強い犬なので、服は、やはり似合わない。
でも、今は狩猟シーズン。
山中を走り回っていると、素人ハンターに間違って撃たれてしまう可能性もあるので、大切な愛犬を目立つようにしなければならない。
犬だけでなく、もちろん人間だってこの時期は目立ったほうがいい。
昨日は南アルプスへニホンジカの出現状況を見回りに行く日だった。
そこで、相棒の柴犬も連れて行くことになり、不本意ながら服を着せることにした。
子犬のころにもらった真っ赤な服があったので、ちょっと窮屈そうだったがそれを着せて出かけた。
ボク自身は、普段からユニクロの真っ赤なリバーシブルな上着で行くから、偶然にも犬とペアルックになってしまった。
ちょっと気恥ずかしかったが、まあ、お互いに撃たれるよりはいいだろう。

ボクの犬は、「天然記念物柴犬保存会」の柴犬だ。
ここで守り育ててきている柴犬は、日本犬のルーツともいえる骨格を示しているので、「保存」の意味も含めてもう30数年来ずっと飼育してきている。
なんでも、縄文時代から人間とともに生活してきた日本犬だから、当時の遺跡から出土した骨格とまさに一致する柴犬だからである。
この犬の特徴は、獲物の臭いをよくとれるように吻がよく発達しているから、顎の骨も大きいので歯も小型犬ながらビックリするくらい大きくてしっかりしている。そして、額段が浅く眼が深く沈み三角形になっているし、耳も自然界からの超音波を聞きわけるのに三角形にピンと立ちながらやや前傾しているところは、全身でフィールドからのサインを読みとり脳へつなげているということである。
そして、四肢がよく発達し、山野を機敏に走り回れるように全体の骨格バランスがしっかりしていることである。
これらの特徴は、まさにニホンオオカミの骨格とも合致する部分が多く、日本の中山間地の気候風土に適した生活をしながら、自らの力で獲物を狩ることもできる野生味の強い正統派「柴犬」といえる。
それでいて、主人には従順で気持ちを瞬間的に読みとる洞察力にもたけているから、質量ともに心から愛着のもてる生き物だからである。

ボクの柴犬は、黒毛柴である。
飼育歴6頭めにして、はじめて黒柴を飼うことになったが、これが阿吽の呼吸で山歩きができるからボク自身はめちゃくちゃに可愛いと思っている。
名前は、「ホタル」。
3歳になるメスである。
このホタルは、東京の世田谷で生まれ、2ヶ月で父親のいる秋田の田沢湖畔に子返しで帰った。
その子犬にボクが一目ぼれをして、秋田まで買いに行ったのだった。
こうしてわが家の一員になったのだが、子犬のころから山野では首輪も紐も外され、ボクと行動をともにするようになった。
だから、いまでは半世紀前まであった柴犬と主人の信頼できる関係を維持しながら山歩きをしてきた日本の原風景が甦ったと思っている。
主人からは決して離れず、ボクの言葉はすべて理解して従順に行動するから、仕事の邪魔をすることもない。
それでいながら、ボク自身もホタルの行動をしっかり観察しているから、耳の立て方や鼻のつかいかた、そして体のすべてで感じている動きを見て、日本の野生動物たちの行動心理を知る手がかりにもしている。

このホタルの系統の流れをくむ子犬が3匹、山梨県で産まれているという。
その写真が昨夜、知人からメールで届いた。
毛色は赤茶だが、すばらしくいい顔貌をしている子犬たちだ。
骨格もしっかりしているから、これらの子犬も大人になれば、ホタルそっくりな柴犬になるだろう。
メールには、天然記念物柴犬保存会の柴犬をしっかり理解して可愛がってくれる人には、譲ってもいいと書かれていた。
オス1頭、メス2頭。
柴犬は愛情をしっかり注いであげればそれなりに確実に態度で返してくるから、いい飼い主のところに貰われていけば、この子犬たちも幸せだろう。
興味のある方は、ボクに連絡くだされば仲介をします。
写真上から、
1)まるで狼犬のような表情とスタイルだが、これでいて主人には従順で家族を守ろうとするのが日本犬の特徴。
2)ハンターに撃たれるよりはましなので猟期の終わる来年2月15日までは、ペアルックで我慢、ガマン。
3)黒柴だが耳や被毛には赤があり、同胎兄弟にも純赤毛も生まれてきたから、この犬からも赤毛は生まれてくるだろう。
4)天然記念物柴犬保存会の犬は、子犬からしっかりした顔立ちをしているのが特徴。
  柴犬にうるさい僕がみても、このなかにとびきりいい子犬がいることは確か。

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柴犬とペアルックで南アルプスへ への5件のコメント

  1. あーる より:

    私も「森に入るにはカラフルな服装で」
    とさっきミクシの日記に書きました。
    犬と人で見つめ合って…良い写真ですね。
    うちのおばかさんは離してやると、どこかへ吹っ飛んで行ってしまいます。
    それでもよく猿を追うので、このこが死んだらあとどうしよう。と時折思います。もう年も大きくなって来たので。
    そうだ、そんなときには学さんに相談しよう。

  2. ちゃかめ より:

    こんばんは。
    ホタルさん、美しいですね。
    3)の写真はずーっと見ていても飽きません
    。あまりにもハンサムさんなのでオスかと思ったのですが、メスだったのですね。
    ポストカードとかあったら、買っちゃいます。それくらい惹きつけられる表情です。

  3. いち猟師 より:

    ご迷惑をおかけして申し訳有りません。
    しかも写真は私の師匠の猟場ではないですか!
    師匠にも良く伝えておきます。
    ところで最近その村でもクマを良く見かけるそうです‥。
    うらやましい。

  4. C-NA より:

    こんばんは。
    ホタルさんホントにいいお顔してますね。
    犬は飼い主に従順でお互いに理解し合うことが出来て親子にも兄弟にも恋人同士にもなれます。最低限の躾しか出来ていない我が家のビーグルも女子で順番で言えば我が家の3女です。次に買うとしたらやっぱり柴がいいですね。

  5. gaku より:

    ■あーる さん
    柴犬は、長い歴史のなかで日本の気候風土や野生動物に対する遺伝子が組み込まれているから、ぜったいにオススメです。
    ■ちゃかめ さん
    はい、オス顔をしたメスのホタルです。
    それでいて、メスなので動きはほんとうにしなやか。
    ■いち猟師 さん
    あの現場で、大きなツキノワグマの写真をばっちり撮影していますよ。
    蟻を食ってきたばかりで、首から顔にまだどっさり蟻をつけたままやってきました。
    けっこう、クマいますよ。
    ■C-NA さん
    柴犬は、いいですよ。
    とくに、天然記念物柴犬保存会の犬は、いいです。