モモンガのデート


飲み友のスーさんから携帯電話があった。
「おーーい gakuさぁー いまオレお地蔵さんのところで一杯飲んでいるんだけれど、 木の穴から顔出してオレを覗いているヤツがいるんだよぅー テンなのかなぁー?」
「色は茶色かぃ? 黄色かぃ? 目が大きいかぃ?」
「目が大きくて茶色だぁー…」
「じゃあ、それはムササビだぁー 」
「だっけど、穴は3cmくらいしか、ないぜ!」
「なにィー そりゃぁー モモンガだぞぅーー
 お地蔵さんちゃあ、あのお地蔵さんだよなぁー」
「そうさ、お地蔵さんの裏側のサワラの木だぁー そこに穴があって、オレを見ているんだぜぇー」
ということだったので、ボクはお地蔵さんへと急いだ。
スーさんは、ちょっと寂しくなると、一人で2kmほどの道のりを歩いてお地蔵さんに会いにいっていることは知っていた。
たぶん、正月も明けて、お地蔵さんと語りたかったのだろう。
そんなスーさんの雪を踏みしめる音に、耳のいいモモンガは安眠妨害をされて、巣穴から顔を出してきたにちがいない。
現場にスーさんの姿はなかったけれど、どの木なのかはすぐに分かった。
そして、穴も確認すると、まちがいなくモモンガだった。
なかなかに撮影条件のいい、巣穴だった。
まさか、そんなところにモモンガが棲んでいたとは、オイラもまだまだ修行が足りない、と思った。

夕方、カメラを用意してモモンガが顔を出すのを待った。
しかし、ちっとも出てきてはくれない。
ひょっとしたら、いないのではないのかと思った17時04分。
背後よりものすごいスピードで飛来したモモンガが、巣穴から1mほど上の幹に着地した。
これには驚いたが、とにかくモモンガとボクとの距離も2mくらいしかない。
ここは驚かしてはならぬと、身動きしないまま、ボクはモモンガの次の動きを待った。
やがてモモンガは、カッカッカッと爪音を立てて幹をくだり、巣穴に一瞬のうちに飛び込んでしまった。
次の行動を待っていると、5分ほどして、件のモモンガは巣穴からこれまたすごいスピードで出てきて幹をよじ登っていった。
かなり暗く、その動きの先は爪音で判断するしかなかった。
そして、その後を追うように、もう1匹のモモンガも巣穴から出て、幹をよじ登っていった。
巣穴のあるサワラは大木で、天辺までは20m以上もあった。
その黒々とした枝のなかに、2匹のモモンガが吸い込まれていってすぐに爪音もしなくなった。
モモンガのこの一連の行動を見て、これはオスがメスを迎えにきて、そのままお出かけをしたのだと考えてよかった。
それにしても、いいところにモモンガの巣穴が見つかったものだ。
ボクはこれまでモモンガを本気になって撮影も観察もしてこなかった動物なので、これを機会に観察をすることにしよう。
北海道のエゾモモンガは、かなり撮影もされているが、本州のモモンガはほとんどいい写真がないものである。
なので、ボクにしか撮影できないモモンガの写真を今年は撮ってみることにする。
そんな「絵コンテ」は、もう、できあがっている。

写真:
1)巣穴と顔を出してきたモモンガ。
2)巣穴に入る直前のモモンガ。
3)このお地蔵さんは、とても優しい表情をしているからボクも大好きだ。

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モモンガのデート への4件のコメント

  1. C-NA より:

    おはようございます。
    お地蔵さんと一杯やりながら語り合うなんて粋なすーさんですね。
    モモンガなんて写真でも初めて見ました。
    新年から幸先よろしいようで今年の活躍楽しみになってきました。

  2. ほたるん・ぷろとこる より:

    おおおーーとっ。
    ホントのモモンガさんでしたね。
    つい、タイトルに釣られてしまいました。(苦笑)
    1)のモモンガさんは、ボクの知ってる人妻モモンガさんとイメージが重なります。
    次回は、滑空の姿を、できたら流し撮りで・・・
    「・・・・」
    そこを、何とか!!

  3. gaku より:

    ■C-NAさん
    ほんと、お地蔵さんと一杯はイキだと思います。
    ■ほたるん・さん
    >次回は、滑空の姿を、できたら流し撮りで・・・
    ほいきた、真下からでいいですか?

  4. ほた より:

    まじですよー。
    楽しみにしてます!!