獣害対策コンサルタント宣言


野生動物たちによる「獣害」は、いまや全国的に社会問題化してきている。
この裏には、現代人たちの自然に対する「忘れ物」が大きく関わってきていることなので、いろんな問題を丁寧に解決していくしかない。
このため、多くの人たちが獣害には悩んでいるのだが、きちんとした対策が取られていないのが現状だ。
そこで、ボクも獣害対策を考えてみることにした。
ボクは、野生動物の姿そのものを撮影するのが本職だが、これには大変な技術が要るのである。
とにかく野生動物は、「何月何日にどこそこで撮影があるから来てください」なんていう約束事ができない相手だから、その約束をいかにとりつけ、効率よく撮影を行うかがすなわち「技術」だからである。
これでメシを食ってきているのだから、そこはやはり野生動物と話しができなければ仕事にはならないからだ。
このため、カメラの目前までいかに野生動物が出現してきてくれるかといった技術開発腐心には、たいへんな年季がはいっている。

なので、こうした撮影技術を「表」とするならば、カメラの前に動物たちを来させないようにすることも「裏」の技術としてできるのではないかと思った。
これまで培ってきた野生動物をいかに騙して安心させ瞬時に撮影してしまうかといった技術の逆をやればいい、ことである。
まあ、こういったことはカンタンに口には出せるが、動物の習性を知っていると、追いやる方法というのは撮影よりも実際には難しいのではないか、と思う。

このため、撮影のために数々のアイデアや電子パーツなどをこれまでボクは開発してきたから、それらを応用して「無人獣害対策ロボット」をつくりはじめた。
いや、これは、全国から撮影よりも多くの相談が寄せられるようになったので、講演や現場コンサルタントとしての理論武装と方法論を確立しておかなければならない、と感じたからだ。
そのためには実践をしておかなければならないと思い、ハイテクとローテクのアイデアの限りをつくしているのである。
その第一歩として、南アルプスにニホンジカが毎日必ずミネラル分補給にやってくる場所があるので、一年間を通して、ここに来させないようにすることが課題である。
すでに一年半にわたって、無人撮影カメラで撮影しながら、ここにやってくるシカたちの行動パターンは掴んである。
なのであとは、どう「追い払う」かの立証だけである。
そのときには、「獣害対策コンサルタント」として、きちんと発言ができるようになっていると思う。

写真上から:
1)深夜、行列をつくってミネラル分補給にきているニホンジカ。
2)シカの習性を利用して、ローテクといわれるが鳴子もつくってみた。
3)電子パーツによるハイテク装置の製作にも余念がない。
4)防犯ブザーも音が大きくていいのだが、不良品がかなりあるのには驚いた。

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獣害対策コンサルタント宣言 への8件のコメント

  1. ブリスパ より:

    獣害対策コンサルタントですか…
    面白いところに目を付けられましたね!
    しゃべれない「獣」からの、人害対策についてはgakuさんが代弁されることと思います。
    腕に自信がないと出来ることではないと思います。
    是非、技術の伝播を宜しくお願いいたします。

  2. 小坊主 より:

    この、行列の出来るミネラル塩店に、客が来なくなったら、たいていの所で、使えるでしょうね。

  3. おいかわ飯店 より:

    >)防犯ブザーも音が大きくていいのだが、不良品がかなりあるのには驚いた。
    子供の命を守る道具、不良品が多いとはちょっとショックですね。

  4. 北の狩人 より:

    獣害対策コンサルタント宣言には大いに期待しています。
    私の辺りでの経験をチョット。
    先ずはカカシですが、直ぐにカカシの足下で寝ていますね。
    プロパンガスを使った爆音器  タイマーを使い自由に鳴らす間隔を設定出来るのですが
    、コレもある程度の日にちを経ると慣れてしまい、驚く無かれ5~6m側で鳴っても動じることなく顔を上げるだけで直ぐに作物を食い始める。
    高周波で耳障りな音響装置  コレもタイマーが組み込んであり、鳴らす時間は自由に変えられるが何日か経つと慣れてしまう。
    オモシロイのは08年に箱ワナで獲ったヒグマは、この音響装置が設置して有る畑に出没して箱ワナに掛かるまでの10日位の間、夜は畑のトウキビを食べ、昼間はこの音が聞こえる直ぐ側で多分200m位の所で休んでいたと思われる。
    最後はフラッシュの光と音響装置の組み合わせだがコレも幾日も経たない内に慣れる様ですね。
    今の所試みられていないのは、センサーで感知した時にだけ反応する装置があれば良いかなと思っています。
    ただ今まで挙げてきた物も、無いよりは良いと付け加えておきます。

  5. RB より:

    こっちのHNで登場しました(笑)
    gakuさんなら獣害対策コンサルタントはバッチリでしょう!
    私たちも机上の方々とは違った視点を持っていますが、gakuさんは更にまた違う。
    やはり現場を知る人間がやらなきゃダメですよ。
    私らは経験での話はできますが、話だけです。
    gakuさんはそれプラス裏付けとなる資料を持っている。
    これは大きな強みですよ。
    一度、集落講演会をしていただきたいものです。

  6. gaku より:

    ■ブリスパ さん
    >しゃべれない「獣」からの、人害対策についてはgakuさんが代弁されることと思います。
    はい、全国からきちんと的確な言葉が出てこないので、ここはしっかり裏づけのある言葉でガツンと言いたい、ですね。
    ■小坊主 さん
    シカはけっこうデリケートなので、やる方法は絶対にあるのです。
    その前に、現代人の精神構造の「地ならし」からはじめなければなりません、です。
    ■おいかわ飯店 さん
    不良品は、たしかに多いですね。
    貴HPアクセスが伸びているそうで、いいコトです。
    キチンとしたポリシーがあれば大丈夫ですから、頑張ってください。
    ■北の狩人 さん
    >センサーで感知した時にだけ反応する装置があれば良いかなと思っています。
    はい、野生動物には学習能力を奪うストレスをいかに効率よく与えるかということが、対策のキーワードになってきます。
    金もかかりましたが、面白いことやってますので、1年後には公開できると思います。
    ■RB さん
    >一度、集落講演会をしていただきたいものです。
    はい、出かけていきまから計画をたててくださいな。
    美味しいお米をつくってもらうためにも、地域のヒトたちが同じ意識感覚のもとで農業をされないと、獣害対策も効果がでません。
    すっごくオモシロイ発想をお伝えしますから、あとは地域の「やる気」だけです。

  7. くま より:

     実は、2/8岩手での講演を聴講したものです。どちらかといえば、主催者側です。
     今日の講演は、ツキノワグマ、その他の野生動物の今現在の生態を、写真という紛れもない事実で、人間が、野生動物に負けているという事実が突きつけられ衝撃的なものでした。
     ただ、今回は、聴講者がI県の農業関係者が主だった事もあり、また、学さんが「獣害コンサルタント宣言」をしてまもなくでしたので、「電気牧柵にかわる対処方法のヒント」を関係者は期待していたのかなあと感じました。 
     どのような人材が集まれば、ツキノワグマのおおまかな生態数を世間に発表できるのか?
     あと、今後、どのようにすれば、学さんみたいな発想の人間が増えるのか?少なくとも主催の人間とI県農業関係者は学さんに共鳴して、何かのヒントが欲しかったんだと思います。
     今後とも、まずは「対処療法」でもいしょうがありませんので、今後アドバイス頂ければ幸いです。 
     長くなりましたが、講演は非常に楽しくそしてなるほどなと納得しながら聞いておりました。生意気ながら、感想を書かせていただきました。今日はわざわざありがとうございました。

  8. gaku より:

    ■くま さん
    そうですか、当日会場におられたのですね。
    とにかく、全国を回ってみて思うことは、地元の人たちがほとんど「地元」を見ていないということです。
    そのために、少しずつ自分たちでやるべきことがありますので、ボクはそんなきっかけづくりのためにいろんな事例を見せながら、喚起にもっていくことをやっています。
    獣害や調査研究にしても、誰もやってくれるものではありませんので、やはりそこは地域の人たちが努力していくしかありません。
    「対処療法」をやりながら、何十年という時間がかかって地域の人間が少しずつ賢くなっていくものですから、
    そんなきっかけに、ボクの話がなればいいのではと思っています。
    アドバイス等、また何かございましたらできる範囲内でやらせていただきますが、まずは地域のみなさんの「やる気」に期待したいです。
    今回は、どうもありがとうございました。