定期診断で人と獣害を思う


諏訪中央病院の名誉院長の鎌田實さんは、いまや超有名人。
診察に、著作に、講演に、そして世界各地での医療ボランティアに、超多忙だ。
鎌田實さんは、若い青年医師時代から強力なリーダーシップを発揮して病院運営をやってきたから、諏訪中央病院は名実共にすばらしい病院になっている。
そんな鎌田さんに、オイラのカラダを預けて12年。
親友である画家の原田泰治さんと共に、
「gakuさんなぁー 俺がカラダを背負うから…」
そう言ってくれて、以来ずっとオイラたちのカラダの面倒をみてくれている。
2~3ヶ月に一度は血液検査をして、体内チェック。
前回は酒の飲みすぎを指摘されたが、今回の検査では正常値。
とりあえず、オイラの口の悪さ意外はすべて正常だった。
こうした定期健診のたびにオイラは諏訪中央病院まで出かけているのだが、忙しいときは高速道路で時間短縮をしている。
そして、たまに時間ができると、伊那市の高遠町から杖突峠をのんびりと越えて行くことにしている。
今回は、たまには杖突峠を越えてみてもいいかなと思い、往復同じコースをたどって出かけてきた。
杖突峠は国道152号線ながら、周辺の集落は急激な過疎化に見舞われている。
道路を走っていても、立派な住宅が4~5軒も連続的に空家になっているのがよくわかる。
そのくらい、高齢化と過疎化が進んでいるから、これも社会ウオッチングとしてオイラの欠かせないテーマでもあるところ。
この地域は戦国時代には武田信玄の領地でもあり高遠城下町として昔は栄えていたであろうところが、いまではほんとうに人口減にあえいでいるといった感じで元気がない。
まさに、「…兵どもが夢のあと」、といったカンジなのである。

こんなところだからすでに、人間より野生動物のほうが勢いが増している。
集落全体に加齢臭が満ちれば、それを敏感に感じとるのが野生の力であり、地域住民の覇気のなさを読んで動物たちが強くなるのは当然だ。
まるで集落全体を大きくすっぽりと囲むように獣害フェンスが張り巡らされてはいるが、シカたちはそれを難なく突破して人家脇までやってきて作物を奪っていくからである。
こうした土地を、人間はやがて野生動物たちに明け渡すのも時間の問題であろう。
そう思いながら、ボクは車を運転しながら、そこに暮らす人々の心理をまさぐるのであった。
そして思うことは、ここには、地域を見張り引っ張っていくリーダーがすでにいなくなってしまっていると感じた。
野生動物の獣害対策には斬新で強力なリーダーシップのもとでの網掛けがなされないと失敗に終わる。
そのことにこの地域は気づいてないから、動物たちにナメられてしまっているのだ。
強力なリーダーが出てこないかぎり、もう手遅れだと思った。
いまや、そのくらい野生動物が強くなっている地域もあるのだから、これは全国的に意識も新たに、現代人は対策を考えていかなければならないところにきているからである。

そんなことを感じた今回の定期健診だった。
写真:
1、2)企業看板の廃物利用で獣害フェンスを作ってあった民家。それほど獣害は深刻なのだが、看板を使われたほうはい迷惑だと思う。関係企業の人間もここをそれほど通らないから、気づかないのかもしれない。
3)杖突峠を越えて茅野市側に下ればもうそこは20万人近い地方都市。そのすぐ脇までも獣害が深刻化しているから防波堤となる農家も必死の様子でマネキンの「かしら」まで動員していた。

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定期診断で人と獣害を思う への4件のコメント

  1. oikawa より:

    獣害フェンス,お洒落ですね。
    何かのアートかと思ってしまいました。
    >こうした土地を、人間はやがて野生動物たちに明け渡すのも時間の問題であろう。
    自然の自浄作用とでも言いましょうか、熱帯域はとても早いです。パプアにいた頃、ちょっと道路を使わないとすぐ自然に戻っていました。村が孤立してました。

  2. 自由飲酒党総裁 より:

    広告の看板は統一規格でできているのですね。意外でした。
    >野生動物の獣害対策には斬新で強力なリーダーシップのもとでの網掛け
    こっちでも頑張ります。

  3. C-NA より:

    金網、フェンスに看板・・・里山の風景として定着してしまいましたね。野生生物自然の美しい景観まで荒らしているのですね。

  4. gaku より:

    ■oikawa さん
    >自然の自浄作用とでも言いましょうか、
    ほんと、自然は感心するくらいにたくましく動いています。
    ■自由飲酒党総裁 さん
    どうですか、そちらの棚田をモデルケースにして獣害対策をやりましょう。
    たくさんのアドバイスもできますよ。
    ■C-NA さん
    >美しい景観まで荒らしているのですね。
    荒らしているというか、景観の変化も記録していくのがプロの視点だと思っております、ので。。