獣害対策講演で岩手県まで…


盛岡市まで行ってきた。
岩手県ではツキノワグマなどによる農作物被害が発生していて、その対策のための勉強会だった。
農地に電気柵を設置して対策を練っているようだが、とにかくツキノワグマに突破されて被害が広がっているのだそうだ。
獣害対策では、電気柵がもっとも有効な手段と思われ完璧だと、これまでは信じ込まれてきた。
しかし、そうではないことに、関係者が気づき慌てているのだった。
ボクは写真家として野生動物を長年現場で見てきているが、人間のやることは人間にとって都合のいい考えの下でやっているだけで、完璧はないと思っている。
だから、ボクにすべての答えを求められても困るのだが、関係現場ではたくさんのやるべきことがあることを伝えてきた。
でも、野生動物のことを甘く見ているところでは、近代的な道具さえ使えばそれで完全に被害を防ぐことができると勘違いしている部分もある。
たとえば、ボクの無人撮影カメラだって、設置すれば明日からプロ並みの仕事ができると思い込んでいる人たちが大多数のように。
電気柵にしてもそれは、防備の一手段に過ぎず、幾重にもの複眼発想で野生動物に対策をほどこしていかなければ成果はあがらないものである。
そのためには、野生動物の習性をしっかり知ることがいちばん大切なのであって、そこから意識改革をしていかないと、答えはでないからである。
だから、まずは現地にどれほどのツキノワグマが生息しているのか、それを知ったうえで「捕殺」も止むをえない場合だってあるのだから、そのための生息調査には最大限の力を注がなくてはならないだろう。
それには、いろんなアイデアも必要であり、実行できるだけのモチベーションも求められてくる。
それにしても、ボクは全国を歩いて現地の声を聞いて思うことだが、野生動物の能力をあまりにも過小評価している人たちが多いように思われてならない。
とにかく、野生動物の習性に精通した人材がそれぞれの地域に皆無だから、的確に教えてくれるリーダー不在となり、対応が甘くなってしまうのであろう。
これからは、野生動物被害対策の同時進行とともに、自然や社会を的確に計れる人材育成も急務のような気がしてならない。
このままでは、ほんとうに人間が野生動物に負けていく、からだ。
今回の盛岡でも、そんなことを考えさせられる講演会だった。
写真:盛岡駅に着いたのは夕方で、ライトアップされた「かまくら」が出迎えてくれた。

カテゴリー: 哺乳類・野生動物   パーマリンク

獣害対策講演で岩手県まで… への2件のコメント

  1. 北割 より:

    南信州のフリーペーパーに掲載のgakuさんのコラムを非常に面白く拝見しております。
    先日は鹿を捕獲するものでしたが、地元の猟師さんとの会話が実に面白いです、今日の獣害対策の内容とピッタリですね。

  2. gaku より:

    あの記事です、ね!!
    そのうちに、別ブログでも改めて書こうと思っています。