モモンガの空家


ツキノワグマの3冊目となる本づくりをいますすめている。
写真をふんだんに使い、内容もまったく斬新なものとなるから、これはまちがいなくバイブルとなる写真集になるだろう。
本文が宿題としてまだ大量に残っているが、いい本になりそうな手ごたえは充分に感じている。
そのなかに入れる春の写真が急遽必要となり、近所の山に出かけてみた。
絵コンテには季節的にちょっと早くて、仕事にはならなかったが、そこでモモンガの巣を見つけてきた。
モモンガは留守だったが、撮影するには願ってもない環境だった。
巣穴は、地上3mのところにあるから、3mの三脚が要る。
そんな三脚は売ってないので、自分で作らなければならない。
こうして、巣穴を見つけた瞬間に、ボクはどのような技術をもってすれば撮影も観察も可能かということを現場で考える。
だから、直感力として、この現場は「いける」、と思ったのだ。
モモンガは留守だったけれど、巣穴環境からして、ここにはドラマがあると感じた。
だから、1年近くを無人撮影ロボットカメラで追えば、すばらしいドラマの発見ができるとオイラは読んだ。
これだけの「絵コンテ」を遂行するには、ここは山林地主の許可も取ったほうがいいと考えた。
さっそく山林を調べると、ある企業が持っていることがわかった。
すぐに、その会社へ電話すると、かねてから顔見知りの部長さんが出てきて、二つ返事でOKとなった。
うれしいこと、である。
自然界は黙して語らない世界なので、それを語らせるには相当な時間をかけて観察しなければならない。
それをこなしてくれるのが無人撮影ロボットカメラである。
このようなカメラから得られるデータを分析して、自然界の動きをボクは洞察しながら次の手を打つようにしているからだ。

モモンガは、とても小さな動物で夜行性である。
だから、これまであまりモモンガのことをやらずにきたが、関心を示していると巣も見つかるものだし、撮影もできることがわかった。
なによりも、数が少なくて貴重な動物と思ってきたが、その気になって探せばけっこう生息していることもわかった。
これで、すでに、6個の巣を発見できているからである。
自然界は、ほんとうに黙しているから、こちらから積極的に働きかけないとやはり表情を見せてくれないものである。
しかし、自然界には方程式があるから、そのちょっとした解きかたに気づけば、いともカンタンに次々に巣穴だって見つかるからだ。
やはり、フィールドに出て、自然界を複眼発想しながら、ほんの小さなサインを探すことからはじめればちゃんと応えてもくれるものである。
ここまでくれば、もうボクにはモモンガの撮影結果が見えたも同然だ。
ツキノワグマの本をつくりながらこのような付録がついてくるのだから、自然界はだから楽しいのである。
写真上:こんなところにひっそりとモモンガの巣があった。
写真下:この木肌の表情を見ただけで、いろんなドラマが展開されていることが分かる。

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モモンガの空家 への3件のコメント

  1. あーる より:

    こういう巣なんですね。探してみよう。
    穴の直径は3センチくらいですか?

  2. 自由飲酒党総裁 より:

    写真2のキャプションを見て、写真をずいぶん見ましたが、私の脳内空間では再現ドラマが動き出しません。。。穴の周囲が盛り上がっているところをみると、これは死に枝の着いていたところかな、とか、穴の上の傷は何の跡かな、くらいなところです。もう少しヒントはないでしょうか。
    ところで、ないなを上回る焼酎に最近出会いました。次回ご馳走いたします。

  3. gaku より:

    ■あーる さん
    >穴の直径は3センチくらいですか?
    まあ、そんなもんです。
    ■自由飲酒党総裁 さん
    >もう少しヒントはないでしょうか。
    樹皮のささくれと、巣穴の垢ですね。
    もう、これだけは、現場での直感力です。
    「ないな」もったいなくて、ちびりちびりとやってます。
    それなのに、30度の「相良仲右衛門」なる鹿児島焼酎が1升瓶でやってきてしまいました。
    ああ、日々酒びたり…、デス。