今年もまた、イノシシに負けた。
何に負けたかといえば、タケノコの初堀り競争に、である。
これで、6戦全敗中。
3月5日に、イノシシは早々とタケノコを掘っていった。
まだ、地上に頭を出してないタケノコを見事に掘っていったのである。
それも、たった7cmの土中のタケノコを、である。
まさに、初物中のハツモノ。
オイラは、今年こそイノシシに負けまいと思っていたが、土中のタケノコだけは見つけることができない。
それを、イノシシは難なく探り当てて、これ見よがしにタケノコの皮だけを現場に捨ててあった。
「やられた」「悔しい」、と思った。
10年ほど前のイノシシは、地上にタケノコが顔を出すまでは掘らなかった。
それが、少しずつ賢くなっていき、いまでは土中のタケノコをちゃんと見つけて掘っていくからだ。
近年のイノシシは、かなり「学習」を重ねてきているらしい。
このため、竹林にラジオを鳴らして、無人撮影カメラを設置すれば、少しはイノシシも敬遠することが分かった。
なので、初物競争には負けっぱなしだったが、いずれタケノコはオイラの口にも入ることになる。
でも、初物挑戦は6年も戦っているのに、いつもイノシシに負けている。
そこで、今年は「案山子」の実験をしてみたのである。
案山子とは、「かがし」のことであり、漢字に変えれば「嗅がし」なのである。
鼻のいいイノシシは、ニオイで攻めればなんとかなる、そう昔から人間は信じて戦ってきた歴史がある。
だから、あちらこちらに「案山子」が立てられていた、のである。
しかし、案山子は立てっぱなしではいけないのだ。
衣服を3日置きくらいに着せ替えながら立てる位置も日替わりにして、ニオイをどんどん変えていかなければならない。
そうすれば、鼻のいいイノシシも学習能力をかく乱されて警戒をするからである。
さらに今年は、ナイスアイデアも思いついた。
イノシシの生皮を竹林に吊るして、同属のニオイを出してみれば反応するに違いない、と。
人間だって、人間の死体に出会うことは忌避するように、イノシシも同属には遭いたくないだろう、と考えたからだ。
しかし、これとて効果は五分五分だった。
今年は、カメラを同時セットしなかったから、イノシシには同属のニオイといえども無視されたのかもしれない。
なので、こんどはよりニオイが出るように、イノシシの毛皮を電気ヒーターで蒸し焼きにしてみようと思っている。
その装置づくりが間に合わないうちに、タケノコの初物が出てきてしまったのだ。
だから、6敗目を喫してしまった、というワケ。
今年も負けたのだから、まあ、仕方がない。
ここはゆっくり準備をして、新たなる作戦に出ることにしよう。
その作戦とは、「獅子脅し」と「体攻め」。
嗅がしでは鼻を攻め、獅子脅しでは耳を攻める。
そして、カメラのストロボは目を攻め、あとはBB弾を体に当てて触角攻めをする。
視聴覚嗅の四点攻めで同時進行すれば、イノシシだってすこしは警戒するにちがいない。
イノシシの図太い神経をどう攻めるか、いつかその鼻を明かしてみたいと思っている。
ここまでくれば、オイラも執念である。
写真:
1)案山子は「かがし=嗅がし」なのである。
2)オイラが戦っている竹林とイノシシの生皮。
3)わがアイデアの粋を集めた新兵器「ミニ電動ガン」は、センサーと連動してBB弾を秒15発も撃て1000発もカートリッジできるハイテク装置である。
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福井の畑の主以上の\”執念\”ですねー!!
ハイテクも駆使しながら・・・と言うところで執念のレベルは違っては居ますが、寄せ集めを丁寧に繋げる手法は、共通している様に思えました(笑)。
ぜひ、イノシシの反応も見てみたい、見せて頂きたいと存じます。
福井の主さんも、gaku長と似ていらっしゃるのではないのでしょうか?(かなりの御年配でしょうけど・・・)
地中のタケノコを掘り出すイノシシ !
そう言えば、トリュフを採るのにブタが使われてましたね。
かかしは臭いが決めて、ですか。
すると、やはり若い威勢のいい兄ちゃんの服の方が効果があったりして?
■ほたるん さん
そう、執念じゃってに。
■クワ さん
まさに、イノシシもタケノコトリュフ…
もう、これだけは適いません。
■あーる さん
若い兄ちゃんもいいけれど、
場末の飲み屋さんで若サバよんでいるおばちゃんのニオイにも効果あると思います、よ!
さすがの宮崎さんも猪には敵いませんか、少し安心。
今年の最後に会ったヤツは、マダラに残った残雪に足跡一つ残さず移動出来るスキルを持っていました。
まだそう大きく無かったのですがね。
世代間で何らかの伝授を行っているとしか思えませんね。
鹿も同じくですが。
■いち猟師さん
とにかく、野生動物も日々学習して進化していることが面白いですね。
それと戦うオモシロさ。