野生動物との共生には緊張感が必要


ここは、中央アルプス山麓の駒ヶ根高原の一角。
野生のニホンザルの群れがやってきて、建物の周辺をのんびりと移動しながら食べられるものを手当たり次第につまんでいく。
サルたちの群れは、100余頭。
こんな群れが、少なくとも3群はある。
それぞれの群れの特徴は、200mほどの範囲を絨毯作戦をとるように、ゆっくり移動していくことである。
そして、サルたちは年々横着になっており、このように屋根に登ったり庭を歩いたりして、人間をナメてきている。
40年ほど前にもニホンザルは近辺に生息していたけれど、群れの構成員は40頭ほどと、かなり少なかった。
それが、確実に個体数を増やして、群れが肥大化してきている。
こうしたニホンザルの群れを身近で見ても、地域住民は追い払うこともしてこなかったし無関心でもきた。
だから、サルにもストレスがなくなり、人馴れしてしまったのだ。
ときには、人に向かって牙を剥いてくるサルまでいる。
こうしたサルをみると、野生動物をこれほどまでにしてしまってはいけないとボクはある意味戦慄を覚える。
人間もサルも、お互いにもっと緊張感があっていい、からだ。
このままいけば、近い将来どこかで必ず人間との衝突が生まれてくることだろう。
わたしたち現代人は、自然界を表面ツラだけのきれいさや可愛さだけで判断して見てしまいがちだが、自然界にはマムシやスズメバチ、ツキノワグマがセットになっていることを忘れてはならない。
そして、自然界をもっと本質的に見てほしい、と思う。

このため、この一角に仕事場をもつボクは、サルが近づくと追い払うことにしている。
大声を出して石を投げたり…
やがてサルたちは、ボクのところだけを避けて通るようになった。
彼らも、頭をつかって日々考えながら行動していることがこれでよく分かった。
野生動物をどのように躾けるかは、やはり人間次第、なのである。
写真:
1)屋根に登られても平気な住民になってはいけない、と思う。
2)2年ほど前は、若い夫婦がこの土地の手入れをしていたような気がするが、最近になって「売地」の看板が立った。敷地には、クリの苗木を植えてあり、やがて、サルとクマを呼び込むだろうとオイラは心配している(もう、サルは来ているけれど…)。

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野生動物との共生には緊張感が必要 への4件のコメント

  1. あーる より:

    私もサルが来るたびに、カメラ向けたり、花火打ったり、犬放したりしてたら、我が家だけ迂回される様になりました。
    犬、ものすごい勢いで追いかけて行きますが、サルのこと好きで、一緒に遊びたい様に見えるのですが…
    留守がちのおうちは屋根に登られたりしていますね。

  2. gaku より:

    ■あーる さん
    サルは視力がいいから、かなり遠くからでも人間の個体識別をしています。
    ボクは、もう、サルを脅かしてしまったので、そう簡単には撮影も許してくれないことでしょう。
    そのくらい賢いので、侮れない動物でもあります。

  3. 小坊主 より:

    ひと頃、団地の中を、サルが跋扈していました。
    我が家でも、女房が追い掛け回されたり、悪さをされていたのですが、私が在宅の時に、応戦してやったところ、その後、来なくなったと、女房に聞きました。
    やっぱり、向こうも、勉強しているのですね。

  4. gaku より:

    ■小坊主 さん
    >やっぱり、向こうも、勉強しているのですね。
    そうなんです、そこなんですよ。
    共生するには、その距離が大切なんです。