電柱にマイホームを求めたカラス


昨日は、1000円高速に乗って愛知県の一色町に行ってきた。
一色町といえば、ウナギの産地。
そのウナギ池の近くにある電柱にカラスが巣をつくっていることを、知人が教えてくれた。
「カラスのお宅拝見」という写真集をつくったばかりなので、ボクはカラスを卒業しているからもう巣は写さなくてもいいと思っていた。
ところが、ここの巣は電力会社に把握されていながら撤去されていないところが面白くて、自然界の報道写真家としての使命感に燃えてしまった、のである。
何が面白いかといえば、電柱に貼り付けられた説明文にある。
電柱に巣があるけれど、このまま「残置」したいという趣旨である。
これは、自然愛護派への配慮なのか、カラスへの気くばりなのか、なるべくなら巣を撤去したくないという電力会社の優しさの表れ、なのか。
それはそれで、どれも充分に尊重できるし、そこのところが現代の環境問題意識として気になったからである。

なので、これには何も申し上げることはないのだが、この電柱の巣で生まれた子供カラスたちの側に立った視点で現代社会を見つめてみれば、これは多いに気になるところがあるからである。
カラスは、生まれた環境に倣って生きていく習性があるから、電柱で生まれたカラスはその後もずっと「電柱」をマイホームの対象にしていく可能性が充分にあるからである。
ということは、この巣をこのまま残置すれば、20年、30年後の将来には電柱に巣づくりするカラスばかりの血統集団ができあがっていくということだ。
そうすれば、あちらこちらで「停電」が起きたりするから、社会生活にも悪影響を及ぼしていく可能性が大きくなる。
ボクには、そこまで予測できるのだが、その発端となる今現在のこうした映像を写真という視覚言語の記録にとどめておかなければならない、と思った。
世の中の意識趨勢はともかく、このような時代と心理の愛誤精神の時代があったことだけは、やはり写真家として、これはきちんと記録に残しておかなければならないからだ。
だから、一色町までわざわざ出かけてみたのである。

電柱を案内してくれた知人が、「カラスよ、アンタも幸せモンだぞ。わざわざ信州から撮影にきてもらえるとは、ね」…、って笑っていたけれど。
時代に向けたこういうカラスのちょっとしたサインが、ボクのアンテナにはビビンと響くのだから、そこはプロなので仕方のないことである。
やはり、行ってみてよかったと思うし、一色の知人と1000円高速には感謝である。
写真:
1)電柱の巣では抱卵中のカラスの尾羽(矢印)が見えた。
2)電柱に巣づくりする現代っ子カラスも面白いが、それを大目に見る電力会社も優しいと思う。
3)カラスにもオタクがあるから、マイホームづくりには、金属ラメ系もいるし新建材でなければというものもいるから、停電事故には要注意。

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電柱にマイホームを求めたカラス への8件のコメント

  1. 小坊主 より:

    つい先日も、カラスが使ったワイヤハンガーで、停電事故が起こったばかりですね。
    こうした、カラスの巣を撤去に行く、電力会社の社員も、カラスの攻撃を受けて危ないそうですから、電力会社、触らぬカラスに祟り無し、という判断が、あるのかも知れません。

  2. ほたるん より:

    「お宅拝見」に電柱のお宅が無いのは、電力会社に配慮しての事でしょうか?
    それとも、純粋に、順法取材の結果でしょうか?
    電柱+カラス営巣+ハンガーオタクカラス・・・の割合がとても気になりますが、その辺についてのgaku長の経験、勘・・とかありますか?

  3. どぐろく より:

    gakuさん
    なんか最早、文章でなく写真を主力兵器とした「自然界のジャーナリスト」って感じですね。
    もちろんgakuさん自ら名乗ってらっしゃる自然界の報道写真家でお呼びさせていただきますが。
    *「ジャーナリスト」がお嫌いでしたらお詫びします。

  4. C-NA より:

    我が家の敷地内にある電柱にもここ数日カラスがやってきます。飼い犬が吠えるので長居はしませんが巣作りの場所を探してるのかしら??作ってくれたら二階の窓から観察が出来るのですが頼んでやってくれるわけでもありませんよねー。

  5. ブリスパ より:

    ちょうど北九州でも「カササギ」や「ハシボソガラス」などの抱卵時期です。
    カラフルなワイヤー・ハンガーは、
    細いから使っているのだと思っていましたが
    プラスティックの少し太いハンガー(そのまま)も混ざっていたりしますね。
    大きな「布団バサミ」が混ざっている巣も見たことあります。
    試行錯誤の末なんでしょうか??

  6. どぶろく より:

    昨日、所用でいつもいく新横浜ビル街のある所へ。二羽のブトが鳴き交わしてる。一羽は巣材をくわえてる「は〜ん!?」と見ていると飛んでいって一本の木に止まった。行ってみると案の定建築中。人通りの多い歩道の並木、高さ3m程。葉が無くて丸見えなのにだあれも気づいてない。もう少し経ったら、ここ歩けなくなるぞ。
    ちなみに純木造住宅でした。

  7. gaku より:

    みなさん、やっぱりカラスには関心があるのですね。
    まあ、カラスに限らずあらゆる生物は時代に合わせて進化していますので、身近な鳥でも気にかけていると面白い、ものです。
    ■ほたるん さん
    電柱には、登ってはいけませんよ。
    順法も当然ですが、危険も考えなければいけません。

  8. ほたるん より:

    最後の一行、笑えました・・・・
    gaku長にとっては15mのアカシヤに登るより、足場ボルトのある電柱の方が「危険」なんだぁ・・・(笑)
    「報道写真家」としては、\”順法\”取材は当然なのでしょう・・・
    ぜひ、第二種電気工事+引込線工事士 資格取りましょう!!
    講習会に迷彩服で出席しているgaku長を想像しただけでワクワクしちゃいます。
    あ、既に持ってたりして・・・電気工事士。