南アルプスの山懐に熊調査に行く


連載している原稿の締切りが、明日。
まだ、一日あるじゃん、今夜書けばいい。
そういうことで、天気もよかったので行きたかった南アルプスの懐まで行ってきた。
やはり、ツキノワグマのイワナ食を視野にいれての渓流調査である。
もちろん、柴犬も連れていった。
最近の彼女は、オイラが車のキーをもてば一緒に山へ行けるものと思っているようだ。
すかさず、オイラの心を洞察してくる。
連れていかない振りをしていても、ちゃんとお見通しで、行くのが当たり前の顔をして落ち着きはらっているのがすごい。

南アルプスの赤石岳が見事に輝いていた。
その懐に行くのだけれど、途中には離村してしまった集落跡が痛々しい。
まさに「兵どもが夢のあと…」で、人間も地球上の大きな時間の流れのなかではアリンコのような生物の一員に過ぎないことを悟る。

この道を通るのは、4年ぶりだった。
ツキノワグマが左のクヌギの木に登ってドングリを食べた熊棚を見つけたのが、2006年の12月。
その木が、何事もなかったように、今年も元気に萌えていた。
オイラは4年ぶりだが、ツキノワグマは毎年何回もこの道路を歩いていることだろう。
そのくらい、ここはツキノワグマが多く生息している場所だからである。
この道は、一日に車が1~2台通ればいいほどの静かなところで、この奥にはすでに人家はないから野生動物たちの天下でもある。

さらに目的地の林道へ入ったら、大規模な崩落があって完全に遮断されてしまっていた。
こんなのに直撃されたら、オイラだってまさにノシイカ状態だろう。
山中の道路は、落石も含めて、こんなんだから細心の注意が必要だ。

お腹がすいたので、集落跡の空き地でラーメンをつくった。
車には、ガスコンロと乾麺、真空パックの餅を常備してあるから、あとは沢水を汲んでくればどこでも飯は食える。
こういうときに食べるラーメンは、いつも「明星チャルメラ」。
この乾麺は、数あるインスタントラーメンのなかでも角を若干丸く仕上げてくれてあるから、小さな16cm鍋にちゃんと収まるのがいい。
角のある乾麺だと23cm鍋でないと茹でられないから、こうしたちょっとしたことが荷物をコンパクトにできるからうれしい。

林道が通行できなかったので、あとは沢登りを試みた。
心がなごむ、マイナスイオン満載のいい渓流が続いていた。
コケの生えぐあいや流木の位置で、大雨のときにはどのくらい荒れるかがわかるから、慎重に調べながら登ってみた。
渓にはときどき、ヤマメがさっさーっと深みに向かって逃げる姿も見えた。
なかなかに、魚影が濃い渓流、だった。
こんな沢に釣り人は少ないと思うが、仕掛けなどが引っかかっていないかも調べながら登るもそのようなゴミは見当たらなかった。
無人撮影ロボットカメラを仕掛けるとすれば、増水による影響を受けない樹上である。
そんな木と魚影の濃そうな淵がセットになっていなければ、調査にはならない。
まあ、いくつかいいポイントがあったので、後日再調査をすることにしよう。
それにしても、崩落した林道の開通はいつになるのだろうか?
いや、多分このまま開通はムリなのではないかと思ってしまった。
そうなると、さらに別の渓さがしもしなければならない。

カテゴリー: 哺乳類・野生動物   パーマリンク

南アルプスの山懐に熊調査に行く への2件のコメント

  1. 小坊主 より:

    お行儀良く伏せ座りして、gakuさんを見やるほたるが、とてもいい風情です。
    こうあるべきですよね、犬と人との関係。

  2. gaku より:

    柴犬のメスは、ほんとうに細やかな心づかいができるから「阿吽の呼吸」ですね。
    言葉を完璧に理解しています。
    こういう犬は、ヤマドリ猟に最適なんですが、オイラは鉄砲をやりませんので。