北海道からの優しいプレゼント


携帯電話が鳴った。
着信をみれば、釧路の「マキ」ちゃんからだった。
彼女のお父さんには、昔に大変お世話になり、今日のオイラを育ててくれた恩人。
そのお父さんが、昨年から体調を崩されているから、この電話には一瞬ヒヤリ…としてしまった。
「大丈夫だってば、お父さんは元気。
 それより、今日はうれしい電話だから、ね。
 トキを送るからさ、それと、マスコの醤油漬け、タラコも送るからね…。
 だって、冷蔵庫が空っぽナンでしょ?」
どうも、5月30日のブログ「ジンギス山菜チャーハン」を見てたらしい。
オイラの冷蔵庫に何も入ってなかったのを知って、魚を手配してくれたのだった。
優しいねぇー うれしいねぇー オイラは涙がでてきてしまった。
北海道へオイラが初めての旅行をしたのが、24歳の時。
このとき、釧路からさらに2時間ほど北上した根室標津町の野付半島で彼女のお父さんに出会った。
漁師だったお父さんは、その日からオイラを番屋に泊めてくれて2ヶ月間も面倒をみてくれた。
魚好きのオイラは、とにかくいろんな魚を食べさせてくれたから父親のように慕ったものだった。
そのとき、彼女はまだ幼稚園児。
オイラと気が合い、いっつもまとわりついていた。
おんぶにだっこ、とにかくそんな彼女が可愛くて、オイラは自分の子供のようにあつかってきたものだった。
その彼女も、いまは高校生の息子をもつ母親。
すっかり主婦になり、こんなオイラのことまで気遣ってくれるのがありがたい。
そして、トキは届いた。
サケは秋にやってくるのに、いまの時期にくるのは「時知らず」。
この「トキシラズ」が、めっちゃ美味しいのだ。
しかも、メジカではないか。
マキちゃんは、とってもいいトキを手配してくれたのだった。
それも、オヤジさんの魚場でなくて、わざわざ釧路沖の魚を買って送ってくれたのだった。

あまりにも、うれしすぎるじゃあないか。
早くオヤジさんに行き会いにいきたいが、とりあえずこんど出る「となりのツキノワグマ」のパンフレットと校正刷りを送ってみせることにしよう。
オイラの出す本を一冊ずつ楽しみにしてくれているオヤジさんだから、まずはそんなところからお返しをするしかない。
元気でいることの報告が、いちばんオヤジさんがよろこんでくれるからである。
「ときどき、冷蔵庫の状態を教えたほうがいい、さぁー」
娘のマキちゃんは、そういって笑った。
海のない信州から、魚の窮状を訴えてみるのもいいもんだ、ナ。
写真:
1)メジカの「トキシラズ」。油のまわった真っ赤な身が実に美味しい。
2)マスの筋子の醤油漬けと塩漬け、それにタラコ。これもめっちゃ美味しくてご飯のお代わりが何杯でもできてしまう。

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北海道からの優しいプレゼント への9件のコメント

  1. はちべえ より:

    最高ですねっ!(^-^)ほんと最高です!

  2. 小坊主 より:

    いいお話です。

  3. うどん より:

    トキシラズ、別名鮭児いいですね~
    私も14年前に標津町のライダーハウス鮭の宿に泊まったとき、近くに住んでいる小学生に
    よく遊んでもらったなぁ~。
    彼は「シンスケ」という名で当時小学校6年生で猟師の息子だと話していたことを思い出しました。
    カラフトマスを捌く腕前は大人顔負けでした。

  4. gaku より:

    ■はちべえ さん
    ■小坊主 さん
    ■うどん さん
    ありがとうございます。
    トキは、うす塩仕上げになっていて、皮までいただいてしまってます。
    美味しいハナシで、スミマセンです。

  5. はちべえ より:

    おはようございます!「トキシラズ」=「鮭児」、コレ、知りませんでした!
    「鮭児」おいしいですよね~♪

  6. 小坊主 より:

    時知らず=鮭児、ではありません。
    「時知らず」は、「秋味」に対する呼び名で、本来、秋の産卵期に接岸すべき普通のシロザケが、時も知らず、産卵期ではないのに、ちょうど今頃、北海道近海に巡って来て漁獲されるものです。つまり、産卵群ではなく、索餌群のシロザケです。
    鮭児は、アムール川系のシロザケである事が、遺伝子解析で、ほぼ確実視されており、その若魚が、シロザケの産卵群に紛れ込んで、「秋味」の時期に、産卵群と一緒に接岸して、混獲されるものです。
    なお、時知らずは、書きましたように、本来、北海道近海に寄って来たものを指しますが、沖獲りの索餌群であっても、時知らずと呼ぶようになってきています。
    念のため、書いておきます。

  7. 北の狩人 より:

    昨年、その方のお見舞いで北海道に来ていましたね。
    その後どうされたかと気になっておりました。
    元気になられたようで、良かったですね。

  8. gaku より:

    ■北の狩人  さん
    そうなんです、とりあえずは元気なんです。
    でも、近いうちに会いに行きたいのですが。。

  9. 写真点描・札幌花物語 4

     とうとうというのも、おかしな話ですが、ここからはすべて「北大植物園」の写真になります。北海道ならではの草花もあれば、日本各地で見られるものもありますね。 最後の写真は…