田淵行男賞の授賞式にて


田淵行男記念館開館20周年記念、田淵行男賞授賞式、シンポジウムと、昨日は多忙な一日だった。
田淵行男記念館では「生々流転・自然環境をみつめて」と題して水越武氏、海野和男氏との3人展が11月7日まで行なわれているので、記念式典にはもちろん出席。
田淵行男賞では審査員をしている関係上、授賞式にも出席。
さらに、シンポジウムではパネラーだったので、会場にも詰めていた。

田淵行男賞は今回で3回目となるが、受賞者の中島宏章さんはマイナーな生き方をしているコウモリにスポットを当てて的確な技術力と構成力で見事に賞をもぎ取っていったのには審査員としてうれしかった。
その彼の受賞の挨拶でビックリしたのは、20年前の中学生のときに北海道に住む彼はオイラに手紙を出してくれていたそうな。
それに対してオイラは便箋4枚にしっかり返事を書いたらしいのだが、そのことはすっかり忘れていた。
しかし、彼はオイラの手紙を宝物としていつかは写真家になりたいと精進されていたのである。
そして、名誉ある「田淵行男賞」を今回は実力で獲っていき、授賞式でオイラの20年前の手紙を胸ポケットから出して披露され、そのときの審査員がオイラでもあったということは何かの巡り合せだったとしかいいようがなく、ついオイラも目頭が熱くなってしまった。
これまでオイラは、全国からたくさんの手紙などはもらってきているが、誠意の伝わらない手紙には返事を書かないことにしてきた。
また、どんな年齢の人でも、きちんとした誠意が感じられれば、たとえ子供でも返事はしてきている。
その一人に、今回の中島宏章さんがおられたわけで、たぶん彼は少年時代からキチンとした人間性をみせていたのだろう。
それに、オイラも気づいていたから便箋4枚の返事を書いたのであって、授賞式のあとに本人と話しをしてみても実直な好青年だったのには安心した。
なので、たぶんこれからは偉大なる写真家に成長していくだろうと、オイラも密かに期待するところである。

人生には、こうした奇遇もあるものだと、昨日は自分自身を省みる一日でもあった。
これも、偉大なる写真家の田淵行男先生がまだまだ未熟なオイラを指導してくれているのだなぁーと感じることしきりで、オイラ自身がさらなる精進に努めなければならないと思った。
写真:
1)田淵行男記念館の案内板には、生々流転が11月7日までと案内されている。
2)生々流転の「宮崎学コーナー」。
3)中島宏章さんは、オイラの手紙を出すべき胸ポケットに手をいれはじめた。そして、茶封筒が出されたのだが、それがまさか20年前に返信したものだったとはまったく知らなかった。

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田淵行男賞の授賞式にて への3件のコメント

  1. 粗忽鷲 より:

    とてもいいお話ですね。
    若者がGaku長の影響を受けているかもしれないと感じておりましたが、このような経緯があったとは…若者の写真のファンとしても嬉しく、素晴らしい繋がりに感動しました!

  2. ユタ より:

    すばらしい。涙が出ます。
    一通の手紙が人の人生の羅針盤になるとは。なんとすばらしいことでしょう。

  3. gaku より:

    ■粗忽鷲 さん
    彼は、いい仕事をすると思います。
    楽しみ、です。
    ■ユタ さん
    こういう出会いをして、こういう人生を歩める人は少ないでしょうが、だから素晴らしいのだと思います。