自然界には魔物が潜むもの…


北海道で、大学生が増水した川に流されて遭難したらしい。
犠牲者にはお気の毒だが、こうした事故はちょっと注意すれば防げたことだと思う。
報道で得ただけの情報だが、沢登り中に川でテントを張ってビバークしていたらしい。
そこに、鉄砲水がやってきて、テントごと流されてしまったそうな。
なんとも痛ましいことだが、川にテントを張って眠ること事態すでに自然を推しはかる判断力を欠いてしまっていたと思う。
こんなときに、複眼発想のできる年配者がついていれば、このような場所にはテントを張らせなかったのではないか?
人間を含めて、野生動物がもっとも無防備になるには4つの要素がある。
飯を食っているとき、脱糞をしているとき、熟睡しているとき、SEXをしているとき。
だから、人間だって家の中では食堂やトイレ、寝室が決まっていくのはそのためである。
野生動物にも、そうした配慮をするものも少なくない。
自然環境には、必ずサインがあるものである。
川だって、どこまで水が増えるかといったサインは、周辺の樹木をみればすぐにわかることだ。
ましてや、その川がどこに続いているのかは、地図をみれば分かることでもある。
そして、天候なども推しはかれば、上流からの増水というものをたえず視野に入れておかなければならないだろう。
その昔、オイラは若い大切な弟子を南アルプスで遭難死させてしまった。
単独登山をしていた弟子は、大岸壁の真下にテントを張って寝ていた。
そこに、落石が直撃してしまったからだ。
現場に供養にいったとき、オイラは愕然とした。
テント地には、苔の生えた古い石から新しい石まで、無数に落ちているではないか。
落石の巣窟にテントを張って、彼は長時間もっとも無防備となる「熟睡」をしてしまったのである。
もしオイラが一緒にいたならば、彼をぶん殴ってでも、落石の危険性を教えたであろう。
しかし、すべてが後の祭りだった。
自然界には、教科書なんてないと思う。
その教科書は、いろんなサインを読みながら自分でつくっていくものだ、とオイラは思っている。
それには、絶えず気配りをして現場でのサインを見落とさないようにすることが大切なのである。
こんな話しを、15日行われた横浜でのトークショウでもやったばかりだった。
自然は、油断したりナメてはいけない世界、だからである。
写真:
ホタルブクロは、別名「雨っぷり」ともいう。
この花の時期は、雨がよく降る季節でもあるから、増水にはほんとうに注意しなければならない。

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自然界には魔物が潜むもの… への9件のコメント

  1. 小坊主 より:

    流されたのが、ワンゲルのパーティーと聞いて、正直、驚きました。
    地図を見る、地形を見る、両岸を見る、などという基本的な事が、部の財産になっていないのですね。
    亡くなられた方にはお気の毒ですが、あっけにとられてしまいました。

  2. 杢爺 より:

    自分も含めてですが、、、
    現場で、
    水を確保する、
    火を起こす、
    米を炊く。
    芯があろうと、お粥だろうと、
    先ずは食べる。
    今回には当てはまらないかも知れませんが、
    「食って、、逃げる。」がモットーです。
    飲み会も、、、、、

  3. あーる より:

    子どもの頃、醤油やソースは量り売りで、ガラスびんを持っておつかいに行くのはおっかなびっくりでした。
    パンもビニール袋になんか入ってなくて、むきだしで紙袋に。それを水たまりに落として泣いていた子がいました。
    普通に生活したり、遊んだりする中で身に付いた、注意力や緊張感、自然に関する知識、が今はうんと少ないと思います。
    オール電化で炎も知らずに育って行く子ども達が心配です。

  4. ほたるん より:

    思えば、私も生きているのが不思議なくらいのミスをしてきた。
    彼らとの違いは無い、と思う。
    そんな私でも川原でテントを張ろうとは思わない。
    なんで、そんな判断をしたんだ?
    家族の悲しさを思うと堪らない。
    生き残った1人がリーダーで無い事を祈る。

  5. su- より:

    山奥の沢は岩だから雨が降ると舗装道路を流れるようになる、U字溝と一緒だよ
    今回の遭難は鉄砲水じゃないよ
    ごく当たり前の出来事だ
    沢筋に入る時の心得の第①は周辺の流木の位置を確認する事、その②小動物の行動をよく観察する事、蛙とかサンショウウオが陸に向かっている時は30分以内に大雨になる
    その③沢筋で野宿する時は、流木の位置より更に5メートル以上高い所でなければならない
    ところで…石橋を渡ってすぐのところと20メートルほど進んで行った所に、今ツチアケビが綺麗だよ

  6. take1 より:

    魔物が潜むから自然界は素敵なのかもしれません…
    ところで「ツキノワグマ」、魅惑的なヌードにサンドイッチになってたんですね(笑)!

  7. gaku より:

    ■小坊主 さん
    おっしゃるとおり、ですね。
    ■杢爺 さん
    飲み会で逃げるのは、マズイですよ。
    あとで、何いわれるか…
    ■あーる さん
    ほんと、現代人はますます「家畜化」していきますね。
    ■ほたるん さん
    幼児体験を含めて、体で覚えていくことって「生活力」になるんですよね。
    オイラは、それだけで生きているようなもの。
    ■su- さん
    石橋って、どこだろう?
    いくつも、オイラは石橋を知っているからなぁー。
    また、顔をだすから教えて。。
    ■take1 さん
    そうなんですよ、魅惑的なヘアーヌード。
    オイラが熊と代わりたい、です。

  8. うどん より:

    ワンゲルの事故を知った後、なんで河原でキャンプしたの?という疑問が私にも浮かびました。数年前、多摩川で花火を見ていた人たちが河川敷の中州で取り残された事件がありました。
    それを考えると、河川の上流での雨量は川下では計り知れないという教訓が生まれるはずですが、彼らはそういうことには無頓着なのかなと。
    また、神戸で小学生が川遊びをしていた時にゲリラ豪雨?に飲み込まれ命を失った事例があります。
    経験を自分の立場に置き換えて考察する習慣が必要というのはごく当たり前の事だと思っているのですが、そうとも言え無い様ですね。

  9. gaku より:

    ■うどん さん
    自然災害への対策は、やはりそのヒト個人のセンスだと思います。
    ボクは、12歳のときに集中豪雨を体験していますから、自然災害にはほんとうに用心深くなっております。
    そうした体験のない人は、ニュースなどのいろんな事例をどれほど、自分自身で消化反芻して以後の行動に生かしていくかだと思いますが、それを感じるのも「センス」ではないかと思っています。