山里の人々はなんて優しいのだろう…


9月最後の日、小雨模様だったけれど、南アルプス山麓の村へでかけた。
ここにも、いくつかの観察基地があるから、それらのメンテナンスが目的だった。
それに加えて、今年のツキノワグマの動きは2006年に酷似しているので、それらの確認のためにも南アルプス山系を見ておきたかったからだ。

中央アルプスで、2006年にツキノワグマがやってきた場所は今年もまったく同じだったから、南アルプスでの動向も把握しておく必要があった。
出かけてみて安心したのは、やはり南アルプスでも中央アルプスと同じ動きをツキノワグマはしていたことである。
2006年に観察していた場所とそれはまったく同じ行動パターンだったからだ。
これまでの、オイラ自身の勘どころというものが、確かなものだったことを再確認できた。


中央アルプスと南アルプスとのちがいは、南アルプスのほうがそこに生活している人たちにどこか「のんびり」しているところが感じられたことである。
のんびりというと語弊があるかもしれないが、熊の傍若無人ぶりにも、許すというよりなす術がなくて人が負けている、といった印象である。
それこそ、ツキノワグマのほうが、そこに暮らす人間より力関係では圧倒的に勝っているということである。

なので、これまでの経験上では、南アルプスでもツキノワグマの撮影はあんがい簡単にできてしまうと思った。
それは、まさに熊の行動さえも予測できるほどに、大胆にあちらこちらに痕跡を残していたからだ。
それらの痕跡を見届けながら、2日以内にここの撮影はできる。
ここなら、1週間以内に、絶対に面白い撮影はできてしまう。
といったように、場所の違うところでも、ときにはこうして観察をしながらツキノワグマの動向をさぐっておけば、自分自身の感覚を養うためにもとてもいいことだと思った。
なので、明日も別ルートで南アルプス山麓を踏査してみるつもり、だ。
写真:
1)交通安全にまで配慮しながら、熊への「お願い」も笑ってしまえる。
2)ここのツキノワグマも、もう余裕で出没できていると思う。
3)分校跡地の裏にあるクリの木に、派手な枝折りがみられた。
4)まずは見落としてしまいそうな枝折りだったが、これはクヌギで3日前のものだった。
5)地上に落ちた小枝やクリの食痕は、つい数時間前のものと思われる。

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山里の人々はなんて優しいのだろう… への5件のコメント

  1. C-NA より:

    素朴な疑問。
    クマさんは栗のイガが痛くないのでしょうか・・それともイガから飛び出した栗だけを食べるのでしょうか。栗を見ると拾わずにいられないC-NAはイガごと拾ってきて家で剥きます。拾うときは里山の人に「花材に少しだけ頂いて良いですか?」とお願いするとほとんどの地主さんは「たくさん持って行きなさい」と言ってくださいます。

  2. gaku より:

    >クマさんは栗のイガが痛くないのでしょうか・・
    痛いと思いますが、食べたい一心でクリのイガを剥いていると思います。
    サルも、同じことやりますが、イノシシは落ちているのだけを拾っているようです。
    人間は、イガを足で押さえてカマで剥きます。。

  3. しらとり より:

    交通安全の看板の「くまさんとらないで」ユーモアがあっていいですね。こちらでは栗の実がなる頃に突然「マムシ注意!!」の看板が現れます。(笑)人知れず出没する野生動物達 フィールドサインに気付かなければ そこに動物達が居た事に誰もわかりません。gaku先生のようにフィールドサインをきちんと理解できれば他の研究者たちも もう少し違う見解になると思うのですが。

  4. ユタ より:

    昨日福井の山間部に行ってきたのですが、一軒宿の道路を挟んだところの3本の木に多数の熊棚が有りました。かなり激しく枝が折られていました。宿の人は解っているでしょうが、客は気づいていないのでしょうね。
    途中の道路に落ちている栗はイガだけで中身はが有りません、恐らく熊やイノシシが食べたのでしょう。
    30m位の距離で2頭のイノシシが死んでいました。車がそんなに通るところでは無いので、交通事故は考えにくい、1頭の内蔵は綺麗にかき出されており、すぐ近くに内蔵が2個転がっていた。こんな光景は初めて見た。どうして2頭も道路でしんでいるのか不思議です。

  5. gaku より:

    ■しらとり さん
    >人知れず出没する野生動物達 フィールドサインに気付かなければ そこに動物達が居た事に誰もわかりません。
    この看板のあったクリの木の下をみたら、クマもイノシシも栗を拾って食べた跡がありました。
    地主さんは気づいているのかわかりませんが、熊はクリを「盗る」のではなく「拾って」いったというサインをちゃんと残しておりました。
    ■ユタ さん
    福井県には、そんなに熊棚がありましたか?
    まさに、信州とまったく同じ動きをクマたちはやっているようですね。
    ちょっとした写真技術と観察眼があれば、そちらでもクオリティーの高いツキノワグマ追跡が必ずできると思います。
    イノシシは、内臓(モツ)が最高に美味しいのに、それを利用してなかったということは、そのことを知らない人間なのかも知れませんね。
    それにしても、どのような経緯で2頭のイノシシが死んでいたのか探偵してみたいところです。